「いつまで味方でいられるだろうか」


 又会おうぜ、相棒。そんな格好良い台詞を吐けたらと羨む事は極偶に。もしも実際に吐けるようになったら悶絶する位困ってしまうんだろうけど。格好良い台詞が許されるのは格好良い舞台、即ちシネマとかさ。笑えるだろう。至極くだらない事を言い合っている僕達の会話は決して誰かの耳には残らない。一過性の話題は一過性で終わり、一過性の関係も一過性で終わる。エピソードが続いていくシネマと違って一回きり、一発本番、銃口破裂。

 誰かを守るとか何かを守るとか、誰かの為に生きるとか何かに命を賭けるとか、そう言う方が随分楽。大した目的意識も無くだらだらと生きている方がよっぽど力が要るし、他人から見たらよっぽど死んでほしいと思われるだろうね。だけど死んでやんない。何でって、天の邪鬼だからだよ。君は僕に手伝えと言ったから僕は君の手を取った。もう一度言うと、僕は天の邪鬼なんだよ。

 どんなに非道と罵られようとも、嘲られて蹴飛ばされても、どの口がと抓られても、御託を並べ続ける。だってほんとうにそう思っているんだものさ。どんなに醜くて汚くて見苦しくても、そう思ってしまうんだから。

(死ねる理由があっていいわね)

 ふたたび相棒の手を握る日など、


 見慣れたこの町が、ある日起きたら悲嘆で満ち溢れていた。絶望はこの町を彩り、極彩色をモノクロームで塗り潰す。男は叫ぶ、誰かこの世界を救ってくれ!

「知らんがナ」

 しかし朝が早いので二度寝をする事にした。
 相棒よ、世界がピンチだ。この世界には救世主でも必要なんじゃないか。もし君が救世主になるのであれば、僕は喜んでぶっ殺される役を引き受けよう。大義名分の元に粛清される身分を選ぼう。とことん悪党になってとことん贅の限りを尽くして、誰しもが消えて当然だと蔑む存在になってみせよう。



(09/07/12)( http://fluid.hiho.jp/ap/